借金返済のためにやったこと

こんにちは。森本です。先日は久しぶりに書いたブログに結構な量の反応をいただきました。有難うございました。
今日は、前回書いた失敗の話に続いて、借金返済のためにやったことを書きます。



失敗談ってドデカい規模の失敗の話がほとんどで、私くらいの地味な失敗はあまり情報がない気がしていますので、同じくらいの規模で困っている人の参考に少しでもなると嬉しいです。


では、順を追って書かせていただきます。ちょっと長いですがお付き合いください。




(1)目標を設定するまず、最初にやったのは目標設定でした。前回書いた通り、返さないといけない金額は2500万円くらいだなと見積もっていましたが、当時の大家さんのご配慮や、持ち物やサービスを売却したりで数百万程度は圧縮することができました。なので、年間の目標として1800万円を返そうと決め、毎月150万円の利益をノルマとしました。


先に結果を書きますが、波はあったものの総じて見るとこのノルマを達成することができ、今はもうマイナスはない状態になっています。


さて。目標について。「目標を設定する」って凄く当たり前なのですが、私は今回の件があるまで出来てなかったなと気づきました。経営者として未熟としかいいようがないですが、以前は毎月の収支をみて儲けがなくてもトントンくらいになると「まぁ、一応いいか」とか思ってしまっていました。しかし、それではダメなのですね。目標が利益でないこともあると思いますが、事業をやる人間は必ず“成長する”数字目標を立て、「それが実現できなければ終わりだ」くらいの危機感をもっていないといけないのだと気づきました。また、その数字は現実的なものでなくてはいけないと思ってます。自分が作るイメージもできないような数字を目標に掲げても、そこに向けて頑張るのは難しいからです。


現実的なラインで「必ずこの数字を達成する」と決める。これを最初にやったのはとても重要だった、と今振り返ると思います。




(2)コストを圧縮するコストは、とにかく最小限にしました。使っているお金は全部見直し、無駄なものを省きました。オフィスは当然小さくて安いとこにしましたし、携帯の料金プランを見直したりとかの地味なことも含め、少しでもコストを低くしました。


余談ですが、コスト削減の一環で移動手段を自転車にしたのですが、これはとても有効でした。お金がかからないのは勿論なのですが、実は都内だと自転車のほうが電車よりも早いということも多くて便利です。あと、地理に詳しくなれるし街を見るのも楽しいのでお勧めです。


それから、一番大きいのが人件費。といっても僕ともう1人しかいませんが。1人だけ残ってもらった従業員にも給料を減らしてもらいました。元々前職よりも低い給料でやってもらっていたのに、更に低いお給料でOKしてくれました。有り難かったです。(今は前よりも給料アップしてます)


あと、解雇した従業員が経理だったのですが、会計処理を時間がある時にボランティアみたいな金額でやると言ってくれたので、本当にありがたかったです。彼女は今は再び社員になってもらっています。


そして自分。自分の給料も当然ですが減らして、住民税などが払えるギリギリの金額にしました(つまり手取りはほぼなし)。自分の給料に関しては、本当に妻に感謝しています。急に家に入れるお金がゼロになっても文句を言いませんでしたし、それどころか私の収入がこれからもアップダウン激しいだろうから、と大手企業に就職して家計を一人で支えてくれました。私のためにイヤイヤそこで働いているわけではないですし、彼女は彼女でスキルアップしていってますが、子供のためにも安定した収入があるパートナーがいるととても安心できるものです。


コスト低減に関しては、思い出すと前述の大家さんも含め、本当にたくさんの人に助けてもらいました。改めて、皆様にはこの場で御礼を申し上げる次第です。




(3)戦う分野を決める
さて、目標も決めたしコストも下げて、いよいよ戦うぞ!という段階ですが、なんの分野にするべきか大急ぎで検討しました。言うまでもなく、ここで必要なのは「稼げる仕事」です。


「アプリで一発当てる?」→いやいや、そんな確度の低いのはダメ。
「ソリューション開発?」→仕込みの時間がかかりすぎる。今年の目標到達できない。
「人材を派遣する?」→そもそも2人しかいないじゃん(笑)
なんて感じで考えて、結果「Webとアプリの受託開発をやろう!」ということにしました。


受託にした理由は、私ももう1人のメンバーも開発の経験が長く得意だということと、この仕事ならすぐに始めることが出来ると考えたからです。これは結果としてはよい判断だったと思います。決して受託開発が楽ちんなビジネスというわけではないですが、自分たちにはあっていたようです。頂いたお仕事はすべてうまく回すことが出来ました。


他にもコンサルのクライアントを増やすという案もあったのですが、コンサルは以前にプッシュ営業した際にうまくいかなかったので、基本的には人の紹介や相談を受けるやり方にしたほうがいいと判断しました。ただ、定期的に複数のお客様からお仕事の話はいただけていたので、コンサルも重要な収益源にはなりました。今もやっておりますので、スマホアプリの収益改善、プロモーション、開発などでお困りの方はぜひご相談ください。全く役に立たないってことは多分ないです(と、地味に宣伝を入れる)。




(4)営業をかけるさて、そんなわけで受託開発をやることにしたわけですが、そうすると自ずと課題は「営業」ということになります。一通り思いついたことはやってみたので、後の方の参考になるようにランキング形式で書かせていただきます。受託開発の仕事以外の方にも参考になるはずです。



7位:クラウドソーシングで仕事を取るご存じない方のために簡単にご説明すると、クラウドソーシングというのはネット上で時間の空いている人に仕事を頼んだり受けたりすることが出来るサービスです。当社もちょっとしたデザインなどで何度かお願いしていたので、ここ経由で開発の仕事をとれるかな?と思ったのですが、ダメでした。理由は、相場の単価が低すぎるのです。個人の方が多くいる場所なので、我々の必要な金額を満たすお仕事は取れませんでした。勿論、最初は低く見積もりを出して仕事を受けて、後から徐々に単価を上げていくという作戦もアリだと思いますが、時間がかかりすぎるので我々にはあってないと判断しました。



6位:開発会社マッチングサイトに登録する開発会社を探したい人のためのサイトがあって、そこに登録してみました。結果としては、当社は全く駄目だったのですが、もう少し条件がそろえばアリだったかもしれないと思います。当社ではダメだった理由は、受託開発の実績が少なすぎたということです。そのサイトに来るお客さんの目線からいうと、ウチを選ぶ理由がないのですね。なので、受託開発の実績が強みとしてあって、何かアピールができる会社さんであれば、有りだと思います。



5位:営業代行に頼む営業代行は、打ち合わせだけして実際には頼まなかったのですが、タイミングがあえば凄くいいと感じました。たまたま面談した会社さんがよかったのかもしれません。何故頼まなかったかというと、他人に自社の営業を頼む場合、自社の強みとか営業してほしい業界とかを整理しないといけなくて、それを理解するにはまずは自分でテレアポしてみるべきという結論になったからです(そうこうしているうちにお客さんがついた)。基本成果報酬なモデルのところが多いので、一度依頼してみるのはアリだと思います。



4位:交流会に出てみる交流会は仕事は取れなかったのですが、いい影響をもらったという点で4位です。これまで交流会というものに出たことがなかったので、いろいろ行ってみたのですが、ハズレ(失礼)も多かったです。はっきり言って逆に営業を受けることのほうが多いですし。まぁ、考えてみればそりゃそうだなという気もしますが、たまにスッゴイ人がいるので、そういう方にあえるとやる気がでます。ホリエモンの有料サロンというのに2か月くらい参加したことがあったのですが、そこで私よりもずっと年下で、何個も事業をやっているパワフルな人にあえて「俺も頑張ろう」という気になれました。また、そういう人と関係を持っておくと後に何かしらあると思うので、即効性はないけどやっておくと損はないよ、という感じです。



3位:テレアポ
テレアポは結構よかったです。実際に1つお仕事も頂けましたし、何より自社をどう売ればいいかをよく考えるきっかけになりました。直接お客さんの反応を聞けることで、自分の何がいけないのかを知ることもできます。コストもほとんどかからないので、お勧めです。初めての人は最初ちょっとメンタル的につらいと思いますが、数をこなすと乗り越えられると思います。



2位:過去のお客さんにアタックする昔のお客さんにお声がけしたのは本当によかったです。かなり効率がよくお話を聞いていただけましたし、お仕事もいただきました。ただ、元がコンサルでやっていたお客様なので、ちょっと変な感じになるところもあって苦戦しました。なんというかコンサルの顔と開発担当の顔って違うというんでしょうか。でも、これは非常にお勧めです。ただし、当たり前ですが、過去のお客さんと悪い関係ではないということが重要ですね。



1位:知り合いに相談に行くそして、圧倒的に1位はこれですね。営業代行などをやらなかった理由も、ほとんど知り合いに助けてもらった分で賄えたからです。けど実は最初は、躊躇していてなかなかいけませんでした。やっぱり「失敗しました」というのが恥ずかしくて。でも「そんな見栄張ってるから失敗するんだろうが」と自分に言い聞かせ、出来るだけ多くの人に会いに行きました。そうすると、さすがにすぐにとはいかないのですが、数か月くらいすると「〜〜って案件があるんだけど出来る?」と声をかけてくれる会社さんが出てきてお仕事をいただけました。この時助けてもらった人達にはもうただただ感謝しかありません。あと、お仕事にならなくてもいろんな人に会いに行くと何かとアドバイスをもらえました。受託開発をメインにしている会社さんには、受託の際に気を付けることとか教えてもらいましたし、営業の方法とかも聞かせてもらえました。なので、本当に困ったなという状況になったら見栄を捨てて、お知り合いに会いに行くのが一番良いと思います。


ただ、単に助けてくださいって言いに行っても勿論ダメで、自分には何ができる、というのをちゃんと言えないといけないと思います。その意味では、最初にテレアポをやっておいてよかったなとも思います。違う視点からいうと、自分で何かしらの営業努力もしてないような人を、人は助けてくれないよ、ということなのかもしれません。




いかがでしょう。同じく小さいどこかの会社の社長さんの参考になれば幸いです。
ちなみに今回は少しでも読みやすいよう形式上こういう感じで書きましたが、実際には営業活動は「これやってもだめか・・くそー、じゃぁこれはどーだ」と毎日のたうち回ってました。いらいらして妻に八つ当たりする、なんてこともあったりしました。ごめん。ただ、そうやってのたうち回ることも必要なことなんだとは思います。



多少は自慢っぽくなってしまうかなと思ってたのですが、まとめてみたらコストの件も営業の件も、人に助けてもらった話ばっかりになっていて「なんだよ、この他力本願ぶりは」と自分で書いて読んで苦笑いな感じです。


でも、案外そういうものなのかもしれないな、とも思います。要は人なんだな、と。助けてくれる人が周りにいてくれたのが一番の要因だったのかなと。




なので私も「人との縁を大事にすること」「困っている人がいたら出来るだけ助けること」ということが(道徳の教科書みたいで文章にするとちょっと恥ずかしいですが)、事業をやっていく上で大事なんだなと思うようになりました。言うだけ詐欺にならないよう精進します。






以上です。最後に、助けてくれた方々にもう一度御礼を申し上げます。本当に有難うございました。
今度は私の番なので、お困りのことがあったらお声がけください。微力ながら何か出来ることはあると思います。