ある中小企業社長の失敗の話

久しぶりにブログ書きます。
相変わらず下手くそな文章ですが、どうぞお付き合いください。
今回は、これまでの記事の中では、比較的役に立つ内容なはず・・



もう1年以上前のことですが、私、見事に事業で失敗をしました。



正確には2014年の3月。「あー、こりゃもう駄目だ。仕方ない」と判断して
初めて従業員を解雇して、ほぼサラからやり直しをすることにしました。
自分ともう1人だけになり、極小オフィスに引っ越し、借金を返すことに集中。



思い返すと、何が何だかわからないくらいショボイ理由で失敗しているのですが
もしかすると同じようなパターンにはまってしまう経営者もいるかもしれないので
どういう失敗をしていたか、自分の懺悔もこめて書いておきます。



ちなみに私の「失敗」は、何か大きな賭けをして一気にお金をすったわけではなく
ず〜〜っとマイナスが続いて、いよいよこれはダメと諦めた時点で確定しました。
当時のマイナスはおよそ2000万円程度で、そこから事務所移転とかいろいろ入れると
2500万円くらいが返済が必要になるというところでした。


2500万円って、ネットとかで見る破産話に比べると少ないと思うかもですが
実際には、これを(銀行との取り決めで)5年間で返さないといけないので
毎月50万円ほどの返済が必要になります。最悪、事業の立て直しができず、
会社員として働くとした場合にリカバリするのはここが限界と判断しました。



今思うと、ちょうどいいタイミングでした。実は4年ほど前に、もっと大きくマイナスに
なったこともありましたが、その時は儲けも大きかったので何とかできるという
実感があったのですが、今回はひたすら1年以上もの間、全く稼げず、
積もりつもった2500万円だったので、稼ぐという自信が全くなくなっていたのです。


従業員を解雇しなければならなかったのが本当に辛かったですし、
とにかくお金がないのでできることも少ない。
ポツーンと一人で退去するオフィスを掃除しているとき、
初めて「あー、これが失敗なんだな」と実感しました。悔しくて少し涙出ました。



さて。前置きが長くなりましたが、そんなわけでボンクラ経営者の私が
経験した「失敗した」内容を3点にまとめてみます。




1.事業の選び方で失敗
私は、自分1人でコンサルティング事業で創業したのですが、
いつまでたっても自分以外のコンサルタントを育てることができず、
常に個人プレーで稼ぐスタイルになっていることが大きな悩みでした。
そこで「もっと雇用が生み出せるような仕事を作りたい」という思いから
始めたのがECの支援業務でした。


ところが、これが全く利益にならない。ひたすら売上ゼロ更新が続く。
それでも、ずっと我慢をし続けて、出来るだけ私は手を出さずに
社のメンバーだけで収益を上げるように指示を出しておりました。
我慢して、我慢して、、、と耐えてたのですが、ついに限界が来て
上記の通り、ギブアップ。


しかし、これ今思い出してみると、一体何をやってるのだ、と言わざるを得ない。
なぜって、実は私、「特にECが得意なわけでもなかった」のです。
社長が出来るわけでもないものを、何故社員にやらせていたのか。。
「とにかくみんなで利益が生み出せる仕事を!」ということを考えるあまり
事業選びが大間違いでした。



この失敗から得たことなのですが、私は仕事は
・やりたい事
・得意な事
・稼げる事
の3種類があると考えてやるべきだと思います。
(どれでもないというのは、そもそも仕事としてありえない)


やりたい事が、得意な事で、かつ稼げるのが一番幸せですが、
そうでないことの方が多いはずです。それと、得意なことをやるのはいいけど
あまり稼げてないということもよくあるので、今やってる仕事が
この3つのうちのどれなのか?ということを自問すべきなのかなと。
私の場合は、やりたい事だけがあって、得意でもないし稼げないものを
しかもそれだけをやっていたというのが大きな間違いだったのだと思っています。




2.THE経営者になろうとして失敗
当社は、一番多かった時でも10人あまりのちっっさい会社なのですが、
何を思ったのか、かなり早い段階で(いわゆる経営本に影響されて)
THE経営者になっていました。※実際にはなれてなかったのですが。


「THE経営者」とは、どんな感じかというと、以下。
・自分はビジョンを語り、従業員に夢を与えることが最大の仕事だと思っている
・業務には出来るだけ口を出さず、従業員に任せてる俺カッケ―と思っている
・自分で営業にはいかない、テレアポなどもってのほか
・基本的にヒマなのだが、それがバレない様に難しい顔をしている(バレてる)



今思えば、こんな規模で何をやってるのかと。コントかと。
一番戦闘力が高いのが社長なのだから、お前が一番稼いで来いよ、という
実に当たり前のことができておりませんでした。



そもそも経営者はどうあるべきか、なんていう重要で難しいことに対して
本で読んだ内容を(自分の現状にも照らし合わせず)鵜呑みにしてどうするのかと。
自分の性格や得手不得手を考えて、その会社が一番成長することを
社長はやるべきで、そのやることを人に教えてもらうってのは
大間違いだったんだな、と今は思っています。




3.他人を見すぎて失敗当社は業界としては、インターネットの世界にいるのですが、この業界では
頻繁に「〜〜が上場!」とか「○億円の資金調達!」といったニュースが飛び交います。
そうすると、そういうニュースにものすごく影響されます。されてました。
自分も置いて行かれてなるものか!と焦ります。


結果、当時の私は「(何はともあれ)とりあえず資金調達をするぞ!」という
よくわからない目的を持ち、ベンチャーキャピタルさんと打ち合わせをしておりました。
何度も打合せでよくわからない話を聞かせた某VCの担当者様、ごめんなさい。
面談依頼の時点でお断りをくださったご担当者様、あなたは正しかったです。


そもそも資金調達に憧れるってなんだよ・・・って話です。
まぁ、でも評価されたかったのでしょう、と振り返ると思います。



そして、この他人を見て間違えていたのは事業の収支面も同じです。
上記の通り、マイナスが積もっていっていたのですが、他社の記事などで
「すでに○億円の赤字を抱えているが、さらに投資を続ける」みたいなのに
影響されすぎて、1000万の赤字なんかないようなもんだ!と考えていました。


「冷静になれよ、それ全然状況が違うだろ。お前の会社では本業で
全く売り上げが上がってないんだぞ、その借金お前個人で返すんだぞ」と
今なら突っ込めますが、当時はそれも見えて無かったです。


分かったのは、他社・他人を見てもダメだ、ということです。
自分の会社の成長の仕方は、自分で考えて決めるべきなのです。
ある程度似たような会社で参考にすることはあってもいいですが、
業績、財務状況、将来の目標などが全部一致する会社などあるわけもなく
普通に自分で考えて自分の未来を決めるしかないのだな、ということです。




どうでしょう。ご自身で経営されている方で、思い当るところないでしょうか。
(こんなアホはお前くらいだよ、という突っ込みはナシでお願いします)



あと、失敗というのかわからなかったので、含めませんでしたが
私はお金に執着がなさすぎたというのも反省しています。
個人的に私は高い服も装飾品も車もほとんど欲しいと思いません。
なので、自分自身の役員報酬をそんなに高くしていませんでした。
本当を言えば、従業員からの目を気にしてるのもあったと思います。
(自分ばっかりすごい高い給料もらってると思われたくない的な)


でも、そうすると当たり前なんですが、私が個人的にそんなにお金を持ってない
状態になるんですね。すると、こういうピンチの時に自分のお金で
何とかするとかできないんです。これは困った。


だから、経営者はちゃんと自分の給料は高くすべき、と今は思ってます。


そのために、お金が欲しい!と思うべきです。
日本人には強欲は悪という風潮がありますが、経営者に限っては
強欲(貪欲といったほうが合う)は必須事項です。
これは精神論ではなく、間違いなくお金って「欲しい!」と
思った人のところにいくと思っています。具体的に言えば、
欲しい!と思うからこそ、行動する人の所にいくというべきかもしれませんが。
そうして資金が手元にあれば、イザという時に選択肢が増えるはずです。




以上、零細企業社長の失敗談でした。




誰か1人にでも参考になれば幸いです。




ちなみに、この記事を書いている今は、上記の失敗分はほぼ取り返すことができました。
しょぼすぎて自慢話にもならないと思いますが、次回は
「1年で借金を返すためにやったこと」的な記事を書いてみます。